中国製軸受総合カタログ
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- 9 -5 軸受寸法の選定5.1 軸受の寿命軸受が荷重を受けて回転すると、適正な使用条件下でも軌道輪および転動体の転動面には絶えず繰返し圧縮応力がかかるため、材料の疲れにより、はくりが現われ、軸受が使用に耐えられなくなる。軸受の寿命とは、軸受におけるいずれの転動体または軌道に疲れによるはくりが生じるまでの総回転数のことをいい、一定速度で運転する場合は、総回転時間で表わすこともできる。以上のような寿命のほかにも、軸受は焼付き、摩耗、割れ・欠け、シール・保持器の損傷、錆びなどで継続使用が不可能になる場合がある。これらは、軸受の故障として寿命と区別されるべき性質のものであり、多くが軸受選定の誤り、取付不具合、潤滑あるいはシール不良などにより起こる。軸受の故障は、上記の原因を取り除くことにより避けることができる。軸受の寿命を検討する場合、この疲れ寿命だけを考えがちであるが、軸受に要求される機能によっては、いくつかの使用限度を併せて考えておく必要がある。例えば、グリース封入軸受のグリース寿命は、おおよそ算定することができる。音響寿命や摩耗寿命などは、軸受の用途によって使用限度の基準が異なるので、あらかじめ経験的な限度を決めておくことが多い。5.2 基本動定格荷重軸受の負荷能力を表わす基本動定格荷重Cとは、内輪を回転させて外輪を静止させた条件において、100万回転の基本定格寿命が得られる、方向と大きさが変動しない荷重をいう。基本動定格荷重は、ISO規格に基き算出され、定められる。ラジアル軸受では方向と大きさが一定の中心ラジアル荷重を採り、スラスト軸受では中心軸に一致した方向で大きさが一定のアキシアル荷重を採る。基本動定格荷重Cは、それぞれの軸受について、ラジアル軸受ではCr、スラスト軸受ではCaとして記載されている。5.2.1 基本動定格荷重による軸受寸法の選定試験室のテストおよび実際の経験では、転がり軸受の寿命のばらつきが相当大きく、同一呼び番号の軸受における同一運転条件での寿命には著しい差がある。したがって、寿命計算では、寿命のばらつきを考慮する必要があり、一定使用確率での寿命を算出する。基本定格寿命L10とは、一セットまたは一群の同一呼び番号の転がり軸受を同一運転条件で個々に回転させた際の、90%(信頼度90%)の軸受が回転できる寿命をいう。転がり軸受の基本動定格荷重、軸受荷重と基本定格寿命との間には、次のような関係がある。L10=(C/P)pここで、L10:基本定格寿命、106回転C:基本動定格荷重、NP:動等価荷重、Np:寿命指数玉軸受では、p=3ころ軸受では、p=10/3軸受が一定速度で使用される場合、軸受の基本定格寿命は総回転時間で表わした方が便利である。この場合の計算式は次のようになる。L10h=── ─ p10660nCP( )ここで、L10h:基本定格寿命、h(時間)n:回転速度、r/min自動車、車両などでは、軸受の寿命を一般に走行距離数で表わす。この場合の計算式は次のようになる。L10s=πD ─ pCP( )ここで、L10s:走行距離数で表わされた基本定格寿命、kmD:車輪直径、mm軸受の寿命をより簡単に算出するために、簡易計算用図表を利用することができる。ここで、2つの簡易計算図を紹介する。

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