中国製軸受総合カタログ
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- 43 -13 転がり軸受の材料転がり軸受に使われる材料は、内・外輪および転動体用の鋼と保持器を作る鋼板・鋼・銅合金・合成樹脂などが主体であるが、この他にシール用の合成ゴムなどもある。13.1 内・外輪及び転動体用の材料13.1.1 要求される特性A) 内・外輪と転動体は互いに局部的な高い接触圧力を受ける為、高い弾性源が必要。B) 軸受の回転によって接触位置は時間と共に変わり、高い接触荷重は繰り返して加わるため、ころがり疲れに強くなくてはならない。C) 磨耗したり疵がついたりしない様高い硬さが得られる成分が必要。D) 荷重としては衝撃的なものも考慮しておく必要があって、衝撃荷重に対する靱性もまた必要。表13.1 高炭素クロム軸受鋼の主要化学成分国規格記号化学成分(%)CSiMnPSCrMoNiCu日本JISG4805SUJ20.95~1.100.15~0.35<0.5≦0.025≦0.0251.30~1.60-中国GB/T18254GCr150.95~1.050.15~0.350.25~0.45≦0.025≦0.0251.40~1.65≦0.10≦0.3≦0.25日本JISG4805SUJ30.95~1.100.40~0.700.90~1.15≦0.025≦0.0250.90~1.20-中国GB/T18254GCr15SiMn0.95~1.050.45~0.750.95~1.25≦0.025≦0.0251.40~1.65≦0.10≦0.3≦0.25日本JISG4805SUJ40.95~1.100.15~0.35<0.5≦0.025≦0.0251.30~1.600.10~0.25中国GB/T18254GCr18Mo0.95~1.050.20~0.400.25~0.40≦0.025≦0.0201.65~1.950.15~0.25≦0.25≦0.25米ASTMA295521000.98~1.100.15~0.350.25~0.45≦0.025≦0.0251.30~1.60≦0.10≦0.25≦0.30E) 精密な機械部品であるため、時間と共に寸法変化が起こるようなものではいけない。 このような性質から高炭素クロム鋼、浸炭軸受鋼、ステンレス鋼、高速度鋼が使用されている。13.1.2 高炭素クロム軸受鋼多く使われている鋼種で、転がり疲れに強い材料であって、20世紀始め現在の転がり軸受が開発され始めた時既にこの種の鋼が使われていた。成分も現在のものと同じと考えてよいものであった。JISG4805で5種類が規定されている。基本は1%の炭素、1.5%のクロムの成分で、これらに少量のマンガン・珪素・モリブデンが加えられている。諸外国でもJISとほぼ同じ成分のクロム軸受鋼を規格として制定し使用している。JIS及び中国(GB)、米国の規格成分表を表13.1に示す。13.1.3 浸炭軸受用鋼(肌焼鋼)衝撃荷重を受ける場合には表層部は硬く、内部は柔らかい方がよい。そして表面部は、適切な炭素量と浸炭深さ及びち密な組織で、内部は適切な硬さで、細かい組織が得られるような材料が必要である。この目的のための軸受材料として、クロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼などが使われる。JIS及び中国(GB)規格成分表を表13.2に示す。13.1.4 ステンレス鋼錆の発生を嫌う場合にはステンレス鋼が用いられている。水分に触れることが避けられないような、腐食性な雰囲気での使用時は勿論、極く僅かな錆によって性能に大きな悪影響を及ぼす計器用ミニチュア軸受についても、このステンレス鋼が多く使われている。軸受としては硬さを必要とするのでマルテンサイト系が使われている。硬さはクロム鋼よりやや低く、従って定格荷重の値も幾分か低下する。JIS及び中国(GB)規格成分表を表13.3に示す。13.1.5 高温用軸受材料A) 一般軸受材料を用い、焼き戻しの温度を高くして、寸法変化を少なくする熱処理を行う操作を安定化処理と呼び、その温度によって種類があり、S0、S1…等の記号を付けている。B) ジェットエンジンの主軸用軸受といった高い温度下で使われる軸受では高温に耐えられる特殊な、そして高価な材料を必要とする。高速度鋼のM50材(約310℃までの高温用)が良く用いられる。ステンレス鋼(440C)も場合によって用いられる。米国規格成分表を表13.4に示す。

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